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【親知らず・・・】抜く?抜かない?徹底解説!!
親知らずは、多くの人にとって謎めいた存在です。
このブログ記事では、親知らずについての基本知識や注意点について詳しくご紹介します。
親知らずに関する痛みや抜歯の必要性、そしてケア方法についても触れていきます。
さあ、一緒に親知らずについて学んでいきましょう。
【親知らずって?】
親知らずとは、大人の奥歯(以下大臼歯)の中で、一番後ろに生えてくる歯であり、第三大臼歯が正式な名称です。
または、智歯(ちし)とも呼ばれています。親知らずは、真ん中から数えて8番目に位置しています。永久歯の中で最後に発育する歯であり、永久歯は15歳前後で生え揃いますが、親知らずは概ね10代後半~20代ぐらいで生えてきます。その名前の由来として、親に知られることなく生えてくる歯であることが挙げられます。
親知らずは通常、上あごと下あごに合わせて左右2本ずつ、計4本の存在が一般的ですが、人によっては親知らずがない場合や個数に違いがあります。
また、親知らずが生えるスペースが不足していたり、生え方の向きが異なるために埋まったり、正しく生えてこない場合がよく見られます。
親知らずの埋伏や先天的な欠損(生じる段階で歯が存在しない状態)は、人類の進化の一部と考えられています。
これは現代に入って急に増えた現象ではなく、既にクロマニヨン人にも見られ、弥生時代からも珍しくなかったようです。
最近では、親知らずの先天的な欠損や埋伏が増えたという印象を持つ人も多いですが、調査結果によれば、現代人では親知らずが全て生える割合が増加し、先天的な欠損が減少しているというデータもあります。親知らずの埋伏や欠損は、長い時間の経過による一般的な傾向であり、最近急激に増えたわけではないのです。
【親知らずの歯科疾患】
「親知らずは、歯肉に一部が被ったままで、不衛生な状態となり、歯肉の炎症を引き起こしやすい」という特徴があります。
この状態は智歯周囲炎と呼ばれ、20歳前後の人に頻繁に見られます。
智歯周囲炎が進行すると、周囲の軟組織や顎骨に広がり、顔が腫れたり、口が開閉しにくくなることがあります。治療には、抗菌薬や抗炎症薬の投与、口腔洗浄剤の使用が行われ、炎症を鎮めるために歯肉の切開手術が実施されることもあります。
ただし、親知らずの生え方や炎症の再発などによっては、抜歯が必要とされます。
抜歯は、通常、正常に生えている親知らずの場合は比較的容易に行われますが、骨に埋まっていたり、複雑な形状をしていたりする場合は、歯肉の切開や骨削りなどの処置が必要となり、注意と手間が必要です。
また、親知らずの状態や患者の健康状態によっては、入院や全身麻酔の管理が必要となる場合もあります。
横に生えている親知らず周辺にエックス線写真で確認される袋状の影は、嚢胞と呼ばれる状態があります。嚢胞は通常、症状がなく経過しますが、感染による痛みや病変の拡大に伴う顎骨の腫脹(腫れ)が生じることもあります。嚢胞は基本的には良性の病変ですが、腫瘍との鑑別診断が必要です。そのため、病変の一部を切除するか、親知らずを含めて全摘出し、病理検査を行うことが推奨されます。
【抜くべき親知らず、そうでない親知らず】
親知らずは頻繁に適切に生えてこないため、不要とされて抜歯されることが一般的ですが、このアプローチは慎重に行う必要があります。親知らずであるからといって全てを抜くのではなく、正常に成長し機能している場合や、手前の奥歯が欠損している場合などは、ブリッジや入れ歯の基盤として利用できるため、抜歯せずに残しておく方が望ましい場合もあります。
親知らずの抜歯は軽率な行動ではありません。処置によって後に腫れや痛みなどの不快な症状が生じる可能性があり、また一定のリスクも伴います。歯を抜くという行為は取り返しがつかないため、抜く利点と欠点について歯科医師と十分に相談し、慎重に決断する必要があります。
以下に、親知らずの抜歯が適している場合、適していない場合、または様子を見ながら再考するべき場合の目安を説明します。
《抜くべき親知らず》
①親知らず、またはその手前の歯が虫歯になった場合
親知らずは口の最奥に位置するため、治療器具の届きにくさやその後の手入れの難しさがあります。また、治療を行っても再びむし歯になる可能性があり、親知らずがむし歯になった場合は治療ではなく抜歯を選択することが望ましい場合があります。同様に、手前の7番目の歯もむし歯になってしまった場合は、速やかに親知らずを抜歯し、7番目の歯のむし歯を処置する必要があります。長期間放置すると、7番目の歯の状態が悪化し、抜歯する必要が生じるリスクもあります。
②親知らずが横向きに生えていて、手前の歯に影響が出ている
親知らずが水平方向に埋まっていると、智歯周囲炎や手前の7番目の歯の根の吸収(歯の根が溶けるように浸食されること)などの問題が起こりやすく、そのため親知らずを抜歯することが一般的です。ただし、手前の7番目の歯の吸収が進んでいる場合は注意が必要です。
例えば、親知らずが適切な位置に生えることができず、CTスキャンでは親知らずの前方にある7番目の歯の根に大きな吸収が見られるとします。
この状況で親知らずを抜歯すると、将来的に手前の7番目の歯が失われた場合に咬み合わせの問題が生じ、入れ歯やインプラントなどの治療が必要になる可能性があります。
CTスキャンにより事前に状況を把握していると、7番目の歯を抜歯した後、部分的な矯正治療を行い、親知らずを正しい位置に移動させて咬み合わせを改善させることができます。
また、7番目の歯を注意深く観察すると、歯の根の一部に吸収の痕跡が見られることがあります。
過去に親知らずを抜歯してから長い時間が経過していると、手前の7番目の歯へのダメージは比較的少なくなると考えられます。
③食べ物が詰まりやすく、歯茎の腫れや痛みを繰り返している
親知らずが半分だけ露出していて、食べ物が詰まりやすく、清潔さを保ちにくい状況になっています。このような状態では周囲の歯肉が炎症を起こしやすくなり、腫れや痛みが繰り返し現れることがあります。
④親知らずが完全に埋まっているがレントゲンで影が見られる
この状態は嚢胞と呼ばれ、病状の進行によりあごの中の神経に圧力をかけたり、膿の袋を形成して患部に痛みや腫れを引き起こします。
《抜かなくてもいい親知らず》
①上下の親知らず同士がしっかりかみ合っている
親知らずが上下の顎骨に対して垂直に生えており、相互に接触している状態です。
②顎の骨に完全に埋まっており、特に影響がない
顎の骨の内部に完全に埋まっている状態の親知らずは、周囲の歯や骨に悪影響を及ぼさないと考えられており、痛みや腫れなどの症状がなければ、即座に抜歯する必要はありません。
③入れ歯やブリッジの土台として親知らずが必要
親知らずが真っ直ぐ生えている場合、手前の6番目・7番目の歯が欠損していても、親知らずを削り、ブリッジの土台にしたり、入れ歯のばねを取り付ける鉤歯にすることが出来ます。
④親知らずを移植する
親知らずの手前の奥歯などが抜かれる必要がある場合、親知らずをその部位に移植し、噛むことが再び可能になることがあります。ただし、移植の可否は移植先の部位、親知らずの形状やサイズ、患者の状態などを慎重に考慮し判断する必要があります。
⑤矯正治療によって親知らずを正常な位置にもっていくことが出来る
親知らずが不適切な方向で生えている場合でも、矯正治療を行うことで正常な位置に移動させることができます。
例えば、上顎において親知らずが通常よりも前方に向かって生えており、近くの7番目の歯と接触している場合、親知らずの成長に制限が生じています。
しかし、上顎には十分なスペースがあり、下顎にも正常に生えるべき親知らずが存在するため、上顎の親知らずを矯正治療によって移動させることが可能です。
矯正治療の結果、上下の親知らずが正しいかみ合わせを示し、良好な状態になることが期待できます。
ただし、すべてのケースにおいて矯正治療が適用可能とは限りません。歯科医師に相談して、個別の状況に基づいた適切な治療計画を立てることをお勧めします。
【最後に】
上記の説明は一般的な情報であり、個々の状況に必ずしも当てはまらない場合もあります。親知らずに関する質問や悩みがある場合は、まずは和光市デンタルオフィスにお越しください。そこで適切なアドバイスや治療計画を得ることができます。
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