和光市デンタルオフィス
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気になる歯並び・・・自力で治せる??
自力で歯並びは治すことができません。
いきなり結論が出てしまいました。
「毎日歯を指で押すとなおる!」と、誤った情報が出回ってしまっています。
なぜ自力では治せないのか、歯の生え方を知ると見えてきます。
歯は硬い顎の骨に埋まっている
歯は、顎の骨に埋まっていると言っても、実際には複雑な構造を持つ組織によって支えられています。歯は、以下の主要な組織から成り立っています。
エナメル質
歯の表面に位置する硬い外層で、主にカルシウムとリン酸の結晶から成り立っています。これは歯を酸や摩擦から保護し、かみ合わせの力に耐える役割を果たします。
象牙質
エナメル質の下にある硬い組織で、主にハイドロキシアパタイト(カルシウムとリン酸の結晶)から成り立っています。象牙質は歯の大部分を占め、エナメル質よりも少し柔らかですが、強度を提供し、歯の神経からの刺激に対する保護も行います。
セメント質
歯根の表面を覆っている骨様の組織で、歯を顎の骨に固定する役割を果たします。セメント質には神経はありませんが、歯周組織との接着力を高める役割があります。
歯髄
歯の中心部に位置する柔らかな組織で、神経、血管、および結合組織から成り立っています。歯髄は歯の感覚を伝える役割を果たし、歯が刺激に反応するのに重要です。
歯は、これらの異なる組織が組み合わさって成り立っており、顎の骨には歯根と呼ばれる部分が埋まっています。歯根はセメント質で覆われ、顎の骨にしっかりと固定されています。歯周組織も歯の支えとなる重要な部分であり、歯茎や骨が含まれます。
歯並びを治すなら成長に合わせた治療が有効
成人してからでも矯正治療は受けることができますが、子供の頃に始める方が効率的に歯並びを改善することができます。これは、子供の歯や顎の骨がまだ成長途中であり、その成長力を利用することで歯を移動させるのが比較的容易だからです。また、子供の口腔環境は柔軟で適応力があります。これにより、矯正装置が歯に適切にフィットし、歯を効果的に移動させることができます。成人すると、歯や顎の骨が固まり、矯正治療が難しくなることがあります。ですから、お子さんの歯並びに気になる点がある場合は、早いうちに歯科医院で診察を受けることが重要です。
適切な力で無理なく歯を移動させる
歯列矯正は、個々のケースに合わせて適切な装置を用いて歯の配置を調整します。この過程で必要な矯正圧は、専門家以外には正確に制御するのが難しいです。このため、専門的な知識や技術なしに個人が歯並びを自己で改善することは事実上不可能です。
なぜ歯並びが悪くなる?
遺伝
歯の形や顎の骨の形状は遺伝的な要因によって決まります。親から受け継いだ遺伝子が歯並びに影響を及ぼすことがあり、遺伝的な傾向によって歯並びが悪くなることがあります。
乳歯の喪失
乳歯が早く抜けず、永久歯が正しい位置に生えてこない場合、歯並びが乱れることがあります。乳歯の喪失と永久歯の生え変わりのタイミングがずれることが要因となります。
口の発育
正しい発育を妨げる要因として、指しゃぶりや chupeteo(おしゃぶりをくわえる習慣)などの口内の習慣が挙げられます。これらの習慣が長期間続くと、歯並びや顎の成長に影響を及ぼすことがあります。
口呼吸
鼻が通りにくい状態で口呼吸をすることが続くと、上下の顎の発育が正常でなくなることがあり、歯並びの乱れを引き起こすことがあります。
歯の喪失
歯を失った場合、その隙間に他の歯が移動し、歯並びが乱れることがあります。これは特に歯を失った箇所が目立つ部分で顕著に現れることがあります。
咬合の問題
上下の歯の咬合(かみあわせ)が正しくない場合、歯並びに影響を及ぼすことがあります。咬合の問題は歯並びの乱れを引き起こす可能性があります。
これらの要因は個々に影響を及ぼすだけでなく、複数の要因が重なることで歯並びの問題が複合的に引き起こされることもあります。歯並びが悪くなる原因は個人によって異なるため、矯正治療は個々の状況に合わせて行われます。
歯並びの悪さにも種類がある
叢生(crowding)
歯が狭い顎に収まりきらず、重なったり隙間ができたりする状態です。これにより歯並びが乱れます。
開咬(open bite)
上下の歯が咬み合う際に、前歯が接触せずに隙間ができる状態です。通常、前歯の咬み合わせが正しくないことが原因です。
噛み合わせ不良(malocclusion)
上下の歯の咬み合わせが正しくない状態を指します。これには過度な出っ歯(overbite)、逆噛み合わせ(underbite)、交差噛み合わせ(crossbite)などが含まれます。
隙間(spacing)
歯と歯の間に余分な隙間ができる状態です。特に歯が欠損していない状態で隙間ができることもあります。
斜交咬(diastema)
上下の歯が斜めに重なって咬み合ってしまう状態で、特に上顎の中央に隙間ができることがあります。
側方咬合不正(crossbite)
上下の歯のうち、ある歯が反対側の歯よりも前に位置している状態です。これにより咬み合わせが不均衡になることがあります。
歯の傾斜(tilted teeth)
歯が正しい位置に傾いて生えてしまう状態で、これにより咬合や歯並びが乱れることがあります。
これらは一部の歯列不正の例であり、個人によって異なる状態が存在します。歯科専門家は患者の具体的な状況に基づいて、適切な矯正治療方法を選択します。
歯並びの悪いとどのような影響があるのか
清掃の難しさ
歯が密集していたり隙間ができていたりすると、歯ブラシやデンタルフロスが届きにくくなります。これにより、歯垢や食物残渣が溜まりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが増加します。
咬合の問題
歯並びの乱れが咬合(かみあわせ)に影響を及ぼすことがあります。咬合が不均衡だと、噛む力が適切に分散されず、特定の歯に過度の負担がかかる可能性があります。これにより歯の摩耗や歯痛、顎関節の問題が生じることがあります。
発音の問題
歯並びの乱れが発音に影響を与えることがあります。特に前歯が正しく咬み合わない場合、発音が不明瞭になることがあります。
心理的影響
歯並びの悪さが外見に影響を与える場合、特に子供や思春期の若者にとって、歯並びの問題がコンプレックスや自己評価に影響を及ぼすことがあります。
消化の問題
歯が正しく咬み合っていないと、十分な咀嚼ができず、食物を適切に消化するのが難しくなることがあります。
顎関節の問題
歯並びの不均衡が、顎関節の動きに影響を及ぼすことがあり、顎関節症などの問題が生じる可能性があります。
歯の損傷
歯が乱れている状態では、他の歯との咬み合わせが不適切になることがあり、歯に余分な負担がかかるため、歯の損傷や折れるリスクが高まります。
これらの影響は個人によって異なりますが、歯並びの問題が放置されると、口腔健康や一般的な健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、適切な矯正治療を検討することが重要です。
歯科矯正の種類
歯科矯正にはさまざまな種類があり、患者の状態や治療目標に応じて選択されます。以下にいくつか代表的な歯科矯正の種類を挙げてみましょう。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、金属のワイヤーとマルチブラケットを歯の表面に装着する矯正治療方法です。主な利点は、多くのケースに対応できることです。しかし、目立ちやすい装置を使用するため、見た目が気になる点があります。また、矯正中のケアが繊細で手間がかかり、しっかりとケアしないと虫歯や歯周病のリスクが高まります。治療には通常2~3年ほどかかります。
マウスピース矯正
インビザラインなどのマウスピース型矯正装置は、透明なマウスピースを使用して歯を移動させる方法で、そのため装置が目立ちにくい利点があります。歯にブラケットなどを取り付ける必要もないため、歯並びを調整しながらも外見に気を使うことなく治療を受けることが可能です。この矯正装置は取り外し可能で、歯のお手入れが簡単なのもメリットです。一方で、マウスピース矯正の欠点として、ワイヤー矯正に比べて対応できる症例が限られている点が挙げられます。治療の期間は通常、ワイヤー矯正と同じくらいの2~3年程度です。
もう少し詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください!
https://www.wakoshi-dental.com/service/orthodontic/
まずは歯並び無料相談を
歯並びの問題を自力で改善することは困難です。自己流の方法で歯並びを調整しようとすると、逆に状態を悪化させたり、歯や歯ぐきに炎症を引き起こすリスクがあるため、絶対に試みないように注意が必要です。
歯並びの乱れを解消したい方には、当医院の歯並び無料相談すにお越しください。当医院の歯科医師は、まず状態を評価し、矯正治療の必要性や最適な方法をアドバイスできます。自分で対処する前に、専門家に相談して適切なケアを受けることが大切です。
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