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2024年08月25日

歯が痛い…その原因と対処法は?~対処法と治療編~

前回の記事では歯の痛みの種類と原因について説明しました。あてはまるものはありましたか?
本日はその対処法と、どのような治療が必要なのか、詳しく説明いたします。
ぜひ最後までご覧ください。

虫歯による痛みの対処法と治療法

和光市 歯医者 和光市デンタルオフィス 歯の痛み
虫歯による歯の痛みの治療

虫歯による痛みは、虫歯が進行し、歯の神経(歯髄)に影響を及ぼすことで起こるものです。

対処法は一時的な痛みの軽減に役立ちますが、根本的な治療には歯科医院での治療が必要です。

虫歯による痛みの対処法

  1. 痛み止めの使用:市販の鎮痛剤を使用することで、痛みを和らげることができます。これらの薬は抗炎症作用もあり、炎症による痛みを緩和します。必要に応じて医師や薬剤師に相談し、正しい薬の選択と服用量を確認してください。
  2. 冷却:患部を冷やすことで炎症と痛みを軽減できます。冷たいタオルや冷却パッドを外側の頬に当てると効果的です。ただし、直接歯に冷たいものを当てると、痛みが悪化することがあるので注意が必要です。

虫歯の治療法

虫歯の治療法は、虫歯の進行度と歯の状態によって異なります。

  1. 初期の虫歯(エナメル質に限定)
    • フッ素塗布: フッ素は歯の再石灰化を促進し、初期の虫歯を自然に修復する助けとなります。歯科医院でフッ素を塗布するほか、市販のフッ素入り歯磨き粉の使用も効果的です。
  2. 中期の虫歯(象牙質に達している場合)
    • CR充填(詰め物): 虫歯が進行して象牙質まで達している場合、虫歯部分を除去し、詰め物を行います。詰め物には、主にコンポジットレジン(白い詰め物)が使われます。また、ダイレクトボンディングという強化プラスチックが選択されることも最近では増えてきました。
    • インレーやアンレー: 中程度の虫歯の場合、部分的に歯を修復するためにインレーやアンレーと呼ばれる詰め物を行うことがあります。これらは、歯型を取って作製され、歯にぴったり合うようにします。金属やセラミック、ジルコニアなどがあります。
  3. 重度の虫歯(歯髄に達している場合)
    • 根管治療(神経治療): 虫歯が歯髄(神経)まで進行すると、根管治療が必要です。この治療では、感染した歯髄を取り除き、根管を清掃・消毒してから、最終的に詰め物やクラウンをセットします。これにより、歯を保存することができます。
    • クラウン(被せ物): 虫歯が大きく進行した場合、クラウンを被せて歯を保護し、歯の形を回復します。クラウンには、金属、セラミック、ジルコニアなどが使用されます。
    • 抜歯: 歯が修復不可能なほど虫歯の進行が深刻な場合、歯を抜くことが必要になることがあります。その後、インプラント、ブリッジ、または義歯で歯を補う方法が考えられます。
  4. 虫歯予防
    • 定期検診: 定期的に歯科医院でクリーニングを受け、虫歯の早期発見と予防を行うことが重要です。
    • 口腔衛生の徹底: 正しいブラッシング方法やデンタルフロスの使用により、プラークや食べかすを効果的に除去し、虫歯を予防します。

歯周病による痛みの対処法と治療法

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歯周病の治療

歯周病による痛みの対処法と治療法について、詳しく説明します。

歯周病による痛みの対処法

歯周病は、歯を支える組織(歯茎や骨)が炎症を起こす病気で、進行すると痛みを伴うことがあります。

  1. 痛み止めや抗生物質の使用:鎮痛剤は、歯周病による痛みを一時的に和らげることができます。また抗生剤を服用することで細菌の感染を鎮静化することができます。
  2. 抗菌性のマウスウォッシュ:クロルヘキシジンを含む抗菌性のマウスウォッシュは、歯周病による感染を抑制し、痛みの原因となる細菌の増殖を防ぐのに役立ちます。
  3. 口腔ケアの強化:歯周病が進行している場合でも、適切な口腔ケアを続けることが重要です。柔らかい歯ブラシを使って、優しく歯と歯茎を磨くことで、炎症の悪化を防ぎます。また、デンタルフロスや歯間ブラシを使用して、歯と歯の間のプラークや食べかすを除去しましょう。
  4. 食事の工夫:刺激が強い食べ物や硬い食べ物は避け、柔らかい食べ物や温かいスープなどを摂るようにします。これにより、痛みが和らぎ、治癒が促進されます。

歯周病の治療法

歯周病の治療は、進行度によって異なります。早期の段階では、適切なケアと治療により完全に治癒することが可能です。進行した場合は、より集中的な治療が必要となります。

  1. 初期段階(歯肉炎)
    • プロフェッショナルクリーニング(スケーリング): 歯科医院で行うスケーリングにより、歯と歯茎の間に溜まったプラークや歯石を除去します。これにより、炎症が抑えられ、歯茎が回復します。
    • 正しい口腔ケアの指導: 歯科医や歯科衛生士から、正しい歯磨き方法やデンタルフロスの使い方を学び、日常的に実践することが重要です。
  2. 中期段階(軽度から中等度の歯周炎)
    • ルートプレーニング(歯根面平滑化): スケーリングに加え、歯根表面を滑らかにし、細菌の再付着を防ぎます。この処置により、歯周ポケットが縮小し、炎症が軽減されます。
    • 抗生物質の使用: 歯周病が細菌感染による場合、抗生物質を処方することがあります。これにより、感染が抑えられ、治癒が促進されます。
  3. 重度の段階(重度の歯周炎)
    • 歯周外科手術: 重度の歯周炎では、外科的な処置が必要になることがあります。
      • フラップ手術: 歯茎を一時的に切り開き、深い歯周ポケットに溜まった歯石を除去します。その後、歯茎を元の位置に戻し、縫合します。
      • 骨再生療法: 骨が損失した場合、骨を再生させるための手術を行います。骨移植や再生誘導性材料を使用し、歯を支える骨を回復させます。
      • 歯肉移植: 歯茎が著しく下がっている場合、健康な歯茎を移植して歯を保護する手術が行われます。
  4. 歯周病安定期治療(SPT)
    • 定期的なメンテナンス: 治療後も、歯周病が再発しないように定期的なメンテナンスが必要です。歯科医院での定期検診とプロフェッショナルクリーニングを継続的に受けることが推奨されます。

知覚過敏による歯の痛みの対処法と治療法

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知覚過敏による痛み

知覚過敏による歯の痛みの対処法

  1. 知覚過敏専用の歯磨き粉の使用;知覚過敏を和らげるために、硝酸カリウムやフッ素を含む歯磨き粉を使用すると効果的です。これらの成分は、神経への刺激をブロックし、歯の敏感さを軽減します。シュミテクトなど、CMで歯磨き粉を歯に直接塗布し、数分間放置することで、効果がさらに高まることがあります。
  2. 柔らかい歯ブラシの使用:硬い歯ブラシを使うと、歯茎がさらに下がり、知覚過敏が悪化することがあります。柔らかい歯ブラシを使って、優しくブラッシングするようにしましょう。
  3. ブラッシングの方法に注意:強くこすりすぎないようにし、歯茎を傷つけないようにすることが大切です。小さな円を描くように、優しく磨くようにしましょう。
  4. 食事の工夫:酸性の高い飲食物(柑橘類、炭酸飲料、酢など)を控えると、刺激が軽減し、知覚過敏の症状を和らげることができます。

知覚過敏の治療法

  1. 象牙質の保護剤:象牙質に直接塗布する保護剤やコーティング剤を使用することで、外部刺激から歯を守り、痛みを軽減します。
  2. ボンディング材の使用:エナメル質が失われた部分にデンタルボンドを適用し、象牙質を密封することで知覚過敏を防ぎます。これは、軽度から中等度の知覚過敏に効果的です。
  3. ナイトガードの使用:歯ぎしりや歯の食いしばりが原因で知覚過敏が生じている場合、ナイトガードを使用することで歯への過度な圧力を減らし、症状を緩和できます。
  4. CR充填:エナメル質の損傷が大きく、知覚過敏の痛みが強い場合、CRを充填して歯を修復し、痛みを和らげます。

根管治療が必要な痛みの対処法と治療法

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根管治療 

根管治療が必要な痛みの対処法

根管治療が必要になる場合、痛みはかなり強く、自分で対処するのはとても大変です。歯科医院にかかり治療をするのは必須ですが、以下の方法で症状を一時的に緩和できます。

  1. 痛み止めの使用:市販の鎮痛剤を使用して、痛みを和らげることができます。抗炎症作用がある薬は炎症による痛みを効果的に緩和します。必要に応じて医師や薬剤師に相談し、適切な薬の選択と服用量を確認してください。
  2. 冷却:冷たいタオルや冷却パッドを外側の頬に当てることで、炎症を抑え、痛みを一時的に和らげることができます。

根管治療の流れ

根管治療は、感染や炎症を起こした歯髄を取り除き、歯を保存するための処置です。

  1. 診断と麻酔:歯科医がレントゲン撮影や診察を行い、感染の広がりや歯の状態を確認します。治療中の痛みを防ぐために、局所麻酔を施します。
  2. 歯髄の除去:歯の表面に小さな穴を開け、感染した歯髄を取り除きます。歯髄が除去されると、歯の内部(根管)は空洞になります。
  3. 根管の清掃と形成:特殊な器具を使って、根管内を徹底的に清掃し、細菌や感染物質を取り除きます。その後、根管を適切な形に整えます。
  4. 根管の充填:清掃後、根管はガッタパーチャと呼ばれるゴム状の材料で密封されます。この密封により、再び細菌が侵入するのを防ぎます。
  5. 歯の修復:根管治療後、歯の強度を保つために、クラウン(被せ物)やインレーを装着することが一般的です。クラウンを被せることで、歯の機能と見た目を回復させます。

詰め物やかぶせ物による痛みの対処法と治療法

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詰め物やかぶせ物による痛みの対処法

詰め物やかぶせ物による痛みの対処法

  1. 痛み止めの使用:市販の鎮痛剤は、痛みを一時的に緩和するのに効果的です。炎症による痛みを和らげます。
  2. 冷やす;顎や頬の外側を冷やすことで、炎症や痛みを軽減することができます。冷たいタオルや冷却パッドを使って、痛む部分を冷やしてください。
  3. 柔らかい食事をとる:硬い食べ物や噛みごたえのある食べ物を避け、歯に負担をかけない柔らかい食事を摂ることで、痛みを軽減できます。

詰め物やかぶせ物による痛みの治療法

  1. 咬み合わせの調整:歯科医が詰め物やかぶせ物の高さや形状を調整し、正しい咬み合わせに整えることで、痛みを解消します。この処置は比較的簡単で、短時間で行うことができます。
  2. 再治療:詰め物やかぶせ物が適合していない場合、再度取り外し、新しいものに交換することが必要です。これにより、隙間からの細菌侵入を防ぎ、痛みを解消します。
  3. 歯髄の治療:歯髄炎が原因で痛みが生じている場合、根管治療が必要になることがあります。根管治療を行うことで、感染した歯髄を取り除き、痛みを根本から解消します。
  4. 歯周病の治療:歯周病が原因で痛みが生じている場合、スケーリングやルートプレーニングなどの歯周治療を行い、炎症を抑えることが必要です。
  5. クラウンや詰め物の再装着:詰め物やかぶせ物が外れたり、破損した場合、再装着や修復を行うことで痛みを解消します。必要に応じて、新しいクラウンや詰め物を作成することもあります。

親知らずの痛みの対処法と治療法

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親知らずの痛み 

親知らずの痛みの対処法

  1. 痛み止めの使用:市販の鎮痛剤を使用して、痛みを一時的に和らげることができます。炎症を伴う痛みに効果的です。
  2. 冷やす:親知らず周辺の炎症を抑えるため、頬の外側を冷やすと痛みが軽減します。冷却パッドや冷たいタオルを使用して、15分ほど冷やし、その後少し時間を空けて再度冷やします。
  3. 食事に注意:硬い食べ物や刺激の強い食べ物を避け、柔らかく消化しやすい食べ物を摂ることで、痛む歯に負担をかけずに済みます。

親知らずの治療法

  1. 抜歯:完全埋伏歯(完全に埋まっている場合)や部分萌出(部分的に生えている場合)の親知らずが痛みや他の歯に悪影響を与えている場合、抜歯が推奨されます。
  2. 切開排膿:智歯周囲炎による膿が溜まっている場合、切開して膿を排出することで痛みと炎症を和らげます。この処置は抜歯前に行われることが多いです。
  3. 抗生物質の処方:感染が原因で痛みが生じている場合、抗生物質を処方されることがあります。抗生物質は細菌感染を抑え、炎症を軽減させます。
  4. 鎮痛剤と抗炎症剤の処方:鎮痛剤や抗炎症剤を処方してもらうことで、痛みや炎症を軽減させます。医師の指示に従って服用してください。
  5. 歯周ポケットのクリーニング:親知らず周囲の歯茎が炎症を起こしている場合、歯科医がポケット内をクリーニングし、細菌を除去することで症状が改善されることがあります。

顎関節症による痛みの対処法と治療法

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顎関節症による痛み 

顎関節症による痛みの対処法

  1. 痛み止めの使用:市販の鎮痛剤を使用して、痛みを和らげることができます。炎症による痛みに効果的です。
  2. 冷やすまたは温める:痛みや炎症が強い場合、冷たいタオルや冷却パッドを使用して患部を冷やすと、症状が緩和されます。また、筋肉の緊張を和らげるために温めることも効果的です。温かいタオルや温湿布を使って患部を温めることで、筋肉のこわばりが軽減されます。
  3. ストレス管理:ストレスが原因で筋肉が緊張することがあるため、リラクゼーション法(深呼吸、ヨガ、瞑想など)を取り入れることで症状を軽減することができます。
  4. 柔らかい食事をとる:噛む際に顎に負担がかからないように、柔らかくて噛みやすい食べ物を選びます。硬い食べ物やガムなどは避けるようにしましょう。
  5. 顎の動きを制限する:大きく口を開ける動作や、頻繁な噛みしめを避けるようにし、顎の関節を休めることが重要です。ガムを噛む、硬いものを噛む、頻繁に口を大きく開ける行動は避けるようにしましょう。
  6. 歯のガード(マウスガード):歯ぎしりや食いしばりが原因で顎関節症を悪化させる場合、夜間にマウスガードを装着して、顎関節と歯を保護することができます。

顎関節症の治療法

  1. 理学療法:顎の筋肉を緩め、関節の動きを改善するために、筋肉のマッサージやストレッチ、電気刺激療法などが行われます。また、自宅でできる顎の運動やストレッチも指導されることがあります。
  2. 行動療法:顎関節症の原因となる習慣(例: 歯ぎしりや食いしばり)を改善するために、行動療法が行われます。
  3. 薬物療法:鎮痛剤や抗炎症剤の他、筋肉の緊張を和らげる筋弛緩剤や、ストレスや不安を軽減する抗不安薬が処方されることがあります。
  4. 咬み合わせの調整:歯科医によって、歯の咬み合わせが不適切である場合、歯の形状や咬み合わせを調整することで顎関節の負担を減らし、痛みを軽減します。
  5. 関節内注射:炎症が強い場合、ステロイド剤を顎関節内に注射することで、炎症を抑え、痛みを緩和します。
  6. 手術:非外科的治療が効果を示さない場合や、顎関節の構造的な問題が原因で症状が重篤な場合には、手術が検討されることがあります。

まとめ

いかがでしたか?
前回と今回と、「歯の痛み」について深堀していきました。一概に痛みといっても様々な種類があり、またその対処法や治療も様々ということがわかっていただけたかと思います。
しかし、一番大切なことは、「痛みが出る前に予防すること」です。自分の口腔内にどのような痛みのリスクがあり、どのように予防していくのかをしっかり理解するためにも歯科医院での定期検診は必ず受けましょう。