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2024年12月15日

お口の中の乾燥(ドライマウス)の原因と対策を徹底解説!

ドライマウスとは、唾液の分泌が減少することで口の中が乾燥し、不快感やさまざまな不調を引き起こす状態を指します。症状としては、まず口の中が粘ついたり、乾燥して話しづらくなることがあります。特に長時間話した後や朝起きたときに、口の中がカラカラに感じることが多いです。また、唾液が減ることで食べ物を飲み込みにくくなったり、味覚が鈍くなることもあります。乾燥した環境ではさらに症状が悪化することがあり、口内炎ができやすくなる場合もあります。

さらに、ドライマウスは口の中の自浄作用が低下するため、虫歯や歯周病、さらには口臭が発生しやすくなることがあります。これらの症状は日常生活に影響を及ぼすだけでなく、放置するとお口全体の健康に深刻な問題を引き起こす可能性もあるため、早めの対処が重要です。

ドライマウスの原因は?

和光市 歯医者 和光市デンタルオフィス ドライマウス 
ドライマウスの原因 

ドライマウスの原因は多岐にわたりますが、主に唾液腺の働きが低下することが関係しています。まず、加齢は大きな要因の一つです。年齢を重ねると唾液腺の機能が低下し、唾液の分泌量が減少することがあります。また、特定の薬の副作用も原因としてよく挙げられます。抗ヒスタミン薬、降圧薬、抗うつ薬など、多くの薬が唾液の分泌を抑制する作用を持っています。

さらに、ストレスや緊張などの心理的要因も唾液の分泌を減少させることがあります。ストレスが長期間続くと、唾液腺の働きに悪影響を与えることが知られています。
加えて、シェーグレン症候群などの自己免疫疾患では、唾液腺そのものがダメージを受けるため、慢性的なドライマウスを引き起こします。

生活習慣も関係しており、口呼吸をしている人は口腔内が乾燥しやすく、特に寝ている間に症状が悪化することがあります。さらに、糖尿病などの全身疾患が原因となる場合もあり、これらの病気では体全体の水分代謝が乱れるため、唾液の分泌が低下します。

アルコールの摂取や喫煙も唾液分泌を抑制する大きな要因です。また、脱水状態になると体内の水分が不足し、唾液の分泌量が減るため、ドライマウスの症状が現れることがあります。これらの要因が複雑に絡み合うことで、ドライマウスが発生する場合が多いのです。

ドライマウスの原因を詳しく解説すると、いくつかのカテゴリに分けて考えることができます。それぞれの要因がどのように唾液分泌に影響を与えるのかを以下にまとめます。

1. 加齢による唾液腺機能の低下

加齢そのものは直接的な原因というより、加齢に伴う身体の変化や病気が唾液腺の機能に影響を与えます。例えば、高齢者は複数の薬を服用している場合が多く、それらが唾液分泌を抑える副作用を持つことがあります。また、唾液腺組織が加齢とともに変性し、唾液の分泌量が自然と減少する傾向があります。

2. 薬剤の副作

ドライマウスの最も一般的な原因の一つが薬剤の使用です。唾液分泌を抑える作用がある薬は数百種類に及びます。以下は代表的な薬剤とその影響です:

  • 抗ヒスタミン薬(アレルギー治療薬):アレルギー反応を抑える一方で、唾液腺の活動も抑制します。
  • 降圧薬(高血圧治療薬):特に利尿薬や交感神経を抑制する薬が唾液腺に影響を与えます。
  • 抗うつ薬・抗不安薬:神経伝達物質に作用することで唾液腺の分泌を低下させます。
  • 鎮痛薬:特に麻薬性鎮痛薬や一部の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が原因となることがあります。
  • 抗がん剤:化学療法や放射線療法は、特に唾液腺の細胞にダメージを与え、分泌量を大幅に減少させます。

3. 自己免疫疾患

シェーグレン症候群は、唾液腺や涙腺を攻撃する自己免疫疾患で、慢性的なドライマウスを引き起こします。症状は口の乾燥だけでなく、目の乾燥(ドライアイ)も特徴です。また、全身性エリテマトーデスや関節リウマチなどの疾患でも唾液腺の機能が低下することがあります。

4. 全身疾患

ドライマウスは全身の健康状態とも密接に関連しています。

  • 糖尿病:血糖値のコントロールが不十分な場合、体内の水分バランスが乱れ、唾液分泌が減少します。
  • 甲状腺機能低下症:新陳代謝の低下が唾液腺の働きを鈍らせます。
  • パーキンソン病・アルツハイマー病:神経系の病気が唾液腺の神経支配を障害し、ドライマウスを引き起こすことがあります。

5. 生活習慣と環境

  • 口呼吸:慢性的な鼻づまりや睡眠中の口呼吸が原因で、口腔内が乾燥しやすくなります。
  • 喫煙:タバコの煙が唾液腺を刺激し続けることで機能を低下させ、唾液量が減少します。
  • アルコールの摂取:アルコールは利尿作用を持ち、体内の水分を奪うため、唾液腺の分泌が低下します。
  • 脱水:水分摂取不足や過剰な発汗、下痢などによる脱水状態では、体全体の水分が減少し、唾液分泌にも影響が出ます。

6. 精神的ストレスと神経系の影響

ストレスや緊張が続くと交感神経が優位になり、唾液の分泌量が減少します。特にストレス性のドライマウスは一時的であることが多いですが、慢性化すると治療が必要になることもあります。

7. 放射線治療の影響

がん治療の一環として行われる頭頸部への放射線照射は、唾液腺の組織を損傷し、唾液分泌が著しく低下する場合があります。この影響は一時的である場合もありますが、長期間続くこともあります。

8. 唾液腺の構造的問題

唾液腺の閉塞や損傷による物理的な唾液分泌の阻害も原因となります。例えば、唾石症(唾液腺に石ができる病気)や感染症による炎症が該当します。

ドライマウスは、単一の原因だけでなく、これら複数の要因が組み合わさって引き起こされることが多いのが特徴です。そのため、原因を突き止めるためには、患者さんの生活習慣や服用薬、全身の健康状態などを総合的に見ていく必要があります。

ドライマウスの影響

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ドライマウスの影響 

ドライマウスが及ぼす影響について、さらに詳しく説明します。唾液は単なる「水分」ではなく、口腔内や全身の健康を支える重要な役割を果たしています。そのため、唾液の分泌が減少するドライマウスは多方面にわたる影響を及ぼします。

1. 虫歯や歯周病のリスク増加

唾液には口腔内を洗浄する作用や、酸性に傾いた口腔内のpHを中和する緩衝作用があります。この作用が弱まると、細菌が増殖しやすくなり、特に虫歯(う蝕)や歯周病(歯肉炎・歯周炎)の発生率が高まります。また、唾液中のカルシウムやリンといった成分は歯の再石灰化を促進する働きがありますが、唾液量が減るとこのプロセスが妨げられ、虫歯が進行しやすくなります。

2. 口腔内感染症の増加

唾液には抗菌作用があり、口腔内の細菌や真菌の増殖を抑える働きがあります。しかし、ドライマウスではこの効果が低下し、細菌や真菌が増殖しやすい環境が生まれます。その結果、カンジダ症(口腔カンジダ症)などの感染症が発生しやすくなります。この病気は特に舌や頬の内側に白い膜ができ、痛みやヒリヒリ感を伴うことが特徴です。

3. 味覚異常(味覚の鈍化)

唾液は味覚に重要な役割を果たしており、食べ物を溶かして味蕾に届ける媒体として働きます。ドライマウスではこのプロセスが阻害され、味覚が鈍くなります。患者さんからは「食べ物の味が分かりにくい」「苦味や塩味だけが強く感じられる」といった訴えがよく見られます。味覚異常が進行すると、食事の楽しみが減少し、食欲低下にもつながる可能性があります。

4. 嚥下障害(飲み込みの困難)

唾液は食べ物を柔らかくし、滑りを良くしてスムーズに飲み込むのを助けます。ドライマウスの患者さんは、この潤滑作用が低下するため、硬い食べ物や乾燥した食品を飲み込むのが難しくなります。特に高齢者では、嚥下困難が進行すると誤嚥性肺炎のリスクが高まることが懸念されます。

5. 口腔内の不快感と痛み

唾液が不足すると、舌や粘膜が乾燥し、表面が荒れることでヒリヒリ感や痛みを感じることがあります。さらに、乾燥した状態では口内炎や裂傷ができやすくなり、これが慢性的な不快感を引き起こします。一部の患者さんでは、舌が焼けるような痛みを伴う「舌痛症」を訴える場合もあります。

6. 発声や会話への影響

唾液は口腔内を潤滑し、滑らかな発声を助けます。ドライマウスの患者さんは、話していると口の中が粘つく感覚が生じ、発音がしづらくなることがあります。また、頻繁に唾を飲み込む動作が必要になるため、長時間話すことにストレスを感じる場合もあります。

7. 口臭の悪化

唾液には、口腔内の細菌が生み出す臭い成分を抑える役割があります。ドライマウスではこの働きが低下するため、口臭が強くなる傾向があります。特に、唾液の流れがほとんどなくなると、揮発性硫黄化合物(VSC)などの臭い物質が増加し、本人も気付くほどの強い口臭が発生します。

8. 栄養状態への影響

食事が飲み込みにくくなることや味覚が低下することで、栄養バランスが乱れやすくなります。特に高齢者では、ドライマウスが原因で柔らかい食品や液体中心の食事に偏り、結果としてタンパク質やビタミン、ミネラルが不足しがちです。これが免疫力低下や体力低下につながる場合があります。

9. 精神的な影響と生活の質の低下

ドライマウスが慢性化すると、患者さんは日常生活に不便を感じるだけでなく、会話や食事、社交の場でのストレスを強く感じるようになります。特に口臭が気になる場合には、人と接することを避けるようになり、孤立感や心理的負担が増すこともあります。

10. 睡眠の質への影響

睡眠中に口呼吸をする人は、ドライマウスが悪化しやすい傾向があります。この状態が続くと、夜間の口腔内の不快感や喉の渇きが原因で睡眠が妨げられ、翌日の疲労感や集中力低下を引き起こします。

ドライマウスは、単なる口の乾きでは済まされない広範な影響を及ぼします。これらの症状や問題が複雑に絡み合うことで、患者さんの健康全体に大きな影響を与えるため、早期のケアや治療が重要です。

ドライマウスを改善するには

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ドライマウスの対処法 

ドライマウスの改善には、原因に応じた適切な治療が必要です。治療は大きく分けて、「根本的な原因の治療」「唾液分泌を促進する方法」「症状を緩和する対処療法」の3つのアプローチに分類されます。それぞれを詳しく説明します。

1. 根本的な原因の治療

ドライマウスを引き起こしている原因が明らかな場合、その原因に直接働きかけることが最優先となります。

  • 薬剤の見直し
    抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、降圧薬などが原因の場合、医師と相談して代替薬への切り替えや、投与量の調整を検討します。ただし、薬の変更が難しい場合も多いため、他の補助的な対策を併用することがあります。
  • 全身疾患の治療
    糖尿病や甲状腺機能低下症、シェーグレン症候群などの基礎疾患が原因の場合、それらの管理や治療が重要です。たとえば、糖尿病の場合は血糖値をコントロールすることでドライマウスが改善する可能性があります。
  • 放射線治療後のケア
    頭頸部がんの放射線治療後に唾液腺が損傷している場合、定期的な唾液腺マッサージや保湿ケアが推奨されます。必要に応じて再生医療や外科的治療が行われることもあります。

2. 唾液分泌を促進する方法

唾液腺がまだ機能している場合、分泌を促進する治療法が効果的です。

  • 唾液分泌促進薬
    ピロカルピンやセビメリンなどの薬剤は、唾液腺を刺激して唾液分泌を増加させる効果があります。これらは医師の処方が必要で、副作用(発汗、胃腸の不快感など)に注意しながら使用します。
  • ガムやタブレットの利用
    無糖のガムや唾液腺を刺激するタブレットを噛むことで、唾液分泌を促進することができます。特にレモンやミントなどの酸味があるものが効果的ですが、酸が強すぎると歯を傷める可能性があるため注意が必要です。
  • 唾液腺マッサージ
    耳下腺や顎下腺などの唾液腺を優しくマッサージすることで、唾液の流れを促進します。マッサージは簡単に自宅で行えるため、セルフケアの一環として推奨されます。

3. 症状を緩和する対処療法

唾液の分泌が難しい場合でも、口腔内の乾燥感を和らげる方法が役立ちます。

  • 人工唾液の使用
    市販されているスプレーやジェルタイプの人工唾液を使用して、口腔内の乾燥を一時的に緩和します。これらは特に睡眠中や長時間の会話時に便利です。
  • 保湿剤の利用
    口腔内を保湿するための専用ジェルやマウスウォッシュを使うことで、乾燥感を軽減できます。アルコールを含まない保湿製品が特におすすめです。
  • 水分補給
    水やハーブティーをこまめに摂取して口腔内を潤すことが基本です。ただし、砂糖入りの飲み物は虫歯のリスクを高めるため避けましょう。

4. ライフスタイルの改善

日常生活の習慣を見直すこともドライマウスの改善に役立ちます。

  • 禁煙
    喫煙は唾液腺の働きを抑えるため、禁煙することで改善が期待できます。
  • 口呼吸の改善
    口呼吸が原因の場合、鼻づまりを治療したり、睡眠中に口を閉じる癖をつけるトレーニングを行います。マウステープや鼻腔拡張器具も補助として使用できます。
  • ストレス管理
    精神的なストレスが原因で唾液分泌が低下することもあるため、リラクゼーションや適度な運動でストレスを軽減します。

5. 定期的な歯科検診とプロフェッショナルケア

ドライマウスの患者さんは、虫歯や歯周病のリスクが高まるため、定期的な歯科検診が不可欠です。歯科医師や歯科衛生士による以下のケアが推奨されます:

  • フッ素塗布
    虫歯予防のためにフッ素を塗布することが効果的です。高濃度のフッ素ジェルやトレーを使う場合もあります。
  • 歯垢や歯石の除去
    唾液が不足していると口腔内が汚れやすくなるため、定期的なクリーニングが重要です。
  • 口腔内の保湿指導
    患者さんに適した保湿ケアやセルフケアの方法を指導します。

ドライマウスの治療は、原因や症状の程度によって異なるため、歯科医師や医師による診断を受けたうえで適切なアプローチを選ぶことが大切です。また、症状が軽度であっても放置すると口腔内に大きく影響が出てくる可能性があるため、早めの対策が推奨されます。

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いかがでしたか?
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