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2025年04月06日

どうしてもインプラントができない方へ 〜他にどんな選択肢があるの?〜

最近では「インプラント治療」が歯を失ったときの選択肢として注目されています。しっかり噛めて見た目も自然、まるで自分の歯のように使えることから、希望される方が増えています。

でも実は、「インプラントをやりたくてもできない」という方も意外と多いんです。健康状態やお口の条件、さらには費用や手術への不安など、さまざまな理由で断念されるケースもあります。

そんなとき、「じゃあ他にどんな方法があるの?」「インプラント以外の選択肢ってどうなの?」と悩まれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、インプラント以外の治療法についてわかりやすくご紹介します。「自分に合った方法」を見つけるヒントになれば幸いです。

なぜインプラントができないことがあるの?

和光市 歯医者 和光市デンタルオフィス インプラントの代わりの治療 
インプラントができない人 

前回の記事で詳しくお話ししましたが、復習してみましょう。インプラント治療は万能に見えるかもしれませんが、実は「誰でも必ず受けられる治療」ではありません。いくつかの理由で、インプラントが難しいと判断されるケースがあります。

◆ 骨の量や質の問題

インプラントは、あごの骨に人工の歯根(インプラント体)を埋め込む治療です。そのため、骨の量が足りなかったり、骨がもろくなっていたりすると、しっかりと固定できない可能性があります。特に、長年歯がなかった場所や、骨粗しょう症の方などは注意が必要です。

◆ 全身疾患によるリスク

糖尿病や心疾患、がん治療中の方など、全身の健康状態によっては、外科手術による感染リスクや治癒の遅れが懸念されるため、インプラントが適応外になることがあります。安全性を第一に考えるため、医科との連携も重要になります。

◆ 金属アレルギーや体質の問題

インプラント体の素材には主にチタンが使われますが、まれに金属アレルギーのリスクがある方もいます。また、体が異物としてインプラントを拒否してしまう「拒絶反応」のリスクもゼロではありません。

◆ 経済的・心理的なハードル

インプラント治療は自由診療となるため、比較的費用が高くなる傾向があります。また、外科手術を伴うことから「怖い」「痛そう」といった心理的な不安を感じて断念される方も少なくありません。

インプラントの代わりに選べる主な治療法

和光市 歯医者 和光市デンタルオフィス インプラントの代わりの治療 
インプラントの代替え治療 ブリッジ

ブリッジ

インプラントが難しい場合の選択肢のひとつとして、「ブリッジ」という治療法があります。ブリッジとは、歯を失った部分の両隣の歯を支えにして、橋をかけるように人工の歯を装着する方法です。その名前の通り、失われた歯のスペースを“橋(ブリッジ)”でつなぐようにして補います。

見た目も自然で、固定式のため違和感が少なく、しっかり噛めることから、インプラントの代替としてよく選ばれる治療法です。また、インプラントのように外科手術を伴わないため、治療期間が比較的短く、身体への負担も少ないのが特徴です。

ただし、ブリッジを作るには、両隣の健康な歯を削って土台にする必要があります。この削る処置によって、もともと問題のなかった歯に負担がかかってしまうリスクもあるため、慎重な判断が必要です。また、支えとなる歯が弱っている場合や本数が足りない場合には、ブリッジが適応できないこともあります。

ブリッジは、しっかりと条件が整えば機能的にも見た目にも優れた治療ですが、「支える歯の健康状態」がカギになる治療法といえるでしょう。

部分入れ歯

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インプラントの代替え治療 部分入れ歯 

部分入れ歯は、歯を一部失ってしまった場合に使う取り外し式の義歯です。失った歯の代わりとなる人工の歯を、金属のバネ(クラスプ)で周囲の歯に引っかけて支える仕組みです。

この治療の大きなメリットは、残っている歯を大きく削る必要がないこと。インプラントやブリッジと比べて、身体への負担が少なく、比較的費用も抑えられる傾向があります。また、複数本の歯を一度に補うことができるのも特徴です。

ただし、金属のバネが見えることがあるため、見た目が気になる方もいます。また、装着時の違和感や、慣れるまでに少し時間がかかることもあります。さらに、バネがかかる歯に負担がかかるため、長期的にみて周囲の歯をしっかりケアしていくことが大切です。

ノンクラスプデンチャー

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インプラントの代替え治療 ノンクラスプデンチャー

ノンクラスプデンチャーは、通常の部分入れ歯とは異なり、金属のバネを使わずに装着できるタイプの入れ歯です。歯ぐきと似た色の弾力性のある素材を使用するため、装着していても見た目が自然で、入れ歯をしていることが目立ちにくいのが特徴です。

見た目を重視される方や、笑ったときに金属が見えるのが気になるという方にとっては、とても魅力的な選択肢となります。また、装着感がソフトで、軽いという点でも人気があります。

ただし、素材の特性上、通常の部分入れ歯よりも耐久性がやや劣ることがあり、壊れた際の修理が難しいこともあります。また、設計によっては適応できない症例もあるため、歯科医師としっかり相談して選ぶ必要があります。

総入れ歯

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インプラントの代替え治療 総入れ歯 

総入れ歯は、すべての歯を失ってしまった場合に使う取り外し式の義歯です。上のあご・下のあごそれぞれに、歯ぐき全体を覆うような形で作られ、人工の歯が並べられています。歯が一本も残っていない状態でも、しっかり噛めるようにサポートしてくれる、大切な治療法のひとつです。

治療は比較的シンプルで、インプラントのような外科手術は不要。身体への負担が少なく、治療期間もそれほど長くかかりません。また、保険診療でも対応できるため、費用面でも安心感があります。

一方で、装着時に違和感を感じることがあり、特に初めての方は慣れるまで時間がかかることがあります。ぴったり合っていないと外れやすくなったり、食事や会話に支障が出たりすることもあるため、定期的な調整が欠かせません。噛む力が天然の歯に比べて弱くなりやすい点も考慮が必要です。

とはいえ、総入れ歯は長年多くの方に使われてきた信頼ある治療法であり、きちんと調整を重ねることで、快適に使っていただけるケースもたくさんあります。

それぞれの治療法は「人によって合う・合わない」

どの治療法が「一番良い」のかは、実は人それぞれ違います。見た目を重視したい方、費用を抑えたい方、手術に抵抗がある方、毎日のお手入れが楽な方法を選びたい方…。大切なのは、「自分のライフスタイルや気持ちに合った治療法を選ぶこと」です。

当院では、患者さま一人ひとりのご希望やお悩みをじっくりとお聞きしたうえで、それぞれのメリット・デメリットをわかりやすくご説明し、納得のいく方法を一緒に考えることを大切にしています。

「インプラントは無理かも…」と感じている方でも、他にも選べる方法はたくさんあります。無理にひとつの治療にこだわらず、あなたにとって一番安心できる選択肢を、一緒に見つけていきましょう。

どんな小さな疑問や不安でも、どうぞ遠慮なくご相談ください。あなたの「これから」のお口の健康を、一緒に支えていけたら嬉しいです。