和光市デンタルオフィス
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もしかして無意識にやってるかも?歯ぎしり・食いしばりの本当の怖さ
朝起きたとき、「なんだかあごが疲れているな」と感じたことはありませんか?
仕事中、ふと気がつくと奥歯をギューッと噛みしめていた…なんて経験、思い当たる方も多いのではないでしょうか。
実はそれ、「歯ぎしり」や「食いしばり」のサインかもしれません。
これらは多くの人が無意識にしてしまうクセで、自分では気づかないうちに、歯やあごに大きな負担をかけているのです。
「まさか自分が?」と思っている方ほど、要注意。
今回は、そんな“隠れたお口のトラブル”について、わかりやすくお話しします。
そもそも歯ぎしり・食いしばりって?

「歯ぎしり」や「食いしばり」と聞くと、ギリギリと音を立てて歯をこすり合わせる、寝ている人の横でしか気づけないようなもの…そんなイメージがあるかもしれません。
でも実は、それだけではないんです。
歯ぎしりにはいくつかタイプがあって、ギリギリ音を立てるタイプ(グラインディング)もあれば、音はしないけれど歯を強く噛みしめるだけのタイプ(クレンチング)もあります。
そしてこの「クレンチング」、つまり“食いしばり”こそ、現代人にとても多いのです。
たとえば、スマホやパソコンをじーっと見つめているとき。集中しているときって、気づかないうちに肩やあごに力が入っていませんか?
そのとき、実は奥歯でグッと食いしばってしまっていることがあるんです。
こうした行為は、無意識のうちに起こるので、本人にはなかなか自覚がありません。
睡眠中の歯ぎしりも同様で、「自分はそんなことしてない」と思っていても、実際には毎晩のように歯やあごに大きな力をかけていることも…。
例えるなら、自転車を止めるときに毎回強くブレーキをかけ続けていたら、ブレーキパッドがどんどんすり減ってしまいますよね?
歯やあごにも同じような負担がかかっているんです。しかも、それが毎日、しかも自覚がないまま繰り返されているとしたら…ちょっと怖いですよね。
そして近年は、ストレス社会やデジタル機器の使用時間の増加により、歯ぎしり・食いしばりをしている人は、実は「ほとんどの人」と言っても過言ではありません。
決して珍しいことではなく、むしろ“気づいていないだけ”という方がとても多いのです。
「自分には関係ない」と思っていた方も、このあと紹介する症状やチェック項目を見てみると、「あれ、もしかして…?」と感じるかもしれませんよ。
歯ぎしり・食いしばりを放っておくとどうなるの?

歯ぎしりや食いしばりは、たとえ痛みがなくても“静かにじわじわ”と口の中や全身を蝕んでいきます。
最初はほんの些細な違和感かもしれません。でも、それを放っておくと、思わぬトラブルへとつながってしまうのです。
まず、歯にかかる強い力は、歯そのものをすり減らしたり、ヒビを入れてしまう原因になります。
毎晩、何十キロもの力でこすり合わせているとしたら――まるで紙やすりで毎日少しずつ削っているようなものです。
実際に、歯がすり減って短くなったり、先端がギザギザになってしまった患者さんも少なくありません。
また、歯にかぶせ物や詰め物がある方は要注意。
通常の咀嚼では問題ないような素材でも、強い食いしばりには耐えきれず、欠けたり外れたりすることがあります。治療したはずの歯が、再びトラブルの原因になってしまうのです。
さらに怖いのは、顎関節(がくかんせつ)へのダメージです。
「朝、あごがだるい」「口を開けるとカクッと音がする」「大きく開けると痛い」…そんな症状は、あごの関節に負担がかかっているサインかもしれません。
ひどい場合は、口が開けづらくなったり、食事がしにくくなってしまうこともあります。
そして、歯ぎしりや食いしばりが引き起こすのは口の中だけの問題ではありません。
実は、慢性的な肩こりや頭痛、首の痛みなどの“原因不明の不調”の裏に、こうした習慣が隠れていることもあります。
あごの筋肉は、頭や首、肩の筋肉とつながっているため、過度な緊張が周辺の筋肉にも影響してしまうのです。
つまり、歯ぎしりや食いしばりは――「ただのクセ」では済まされません。
自覚がないうちに、あなたの歯も、あごも、身体までも、少しずつ壊してしまう“見えないストレス”のような存在なのです。
歯ぎしり・食いしばりの原因って?

歯ぎしりや食いしばりは、「クセ」とひとことで片付けられがちですが、実はその背景にはさまざまな原因が隠れています。
中でも大きな要因のひとつが、「ストレス」です。
人はストレスを感じると、無意識に身体に力が入ってしまうもの。
悩みごとがあるとき、仕事や人間関係で緊張しているとき、グッと歯を食いしばって耐えている…そんな場面、思い当たりませんか?
寝ている間でも、日中に感じたストレスが身体に残っていて、知らず知らずのうちに歯をギリギリとすり合わせていることがあります。
つまり、歯ぎしりは「心の疲れ」が表に出る、身体からのサインとも言えるのです。
また、噛み合わせのバランスが悪いことも、原因のひとつです。
上下の歯の接触がどこか一部に偏っていたり、被せ物の高さが合っていなかったりすると、それを無意識に修正しようとする働きが起こります。
その結果、噛み合わせのズレを整えようとして、歯をすり合わせたり、力をかけてしまうことがあるのです。
さらに最近注目されているのが、日常生活の“姿勢”や“習慣”による影響です。
たとえば、スマートフォンやパソコンを見るとき、首が前に突き出たような姿勢になっていませんか?
この「ストレートネック」と呼ばれる状態は、あご周りの筋肉に余計な緊張を生みやすく、食いしばりの原因にもなります。
また、無意識に上の歯と下の歯を長時間くっつけているクセ(TCH=Tooth Contacting Habit)も、実はかなり多くの方に見られるもの。
本来、安静時の口の中では上下の歯は触れておらず、わずかに隙間があるのが正常です。
でも、集中しているときや作業中など、知らず知らずのうちに歯を接触させていることがあるんですね。
このように、歯ぎしり・食いしばりの原因はひとつではなく、心の状態・かみ合わせ・生活習慣など、さまざまなものが複雑に関わっています。
だからこそ、「ただのクセ」と見過ごさず、今の自分の状態を見つめ直してみることが大切です。
もしかして私も?セルフチェックしてみましょう

「歯ぎしりや食いしばりって、他人事だと思ってたけど…」
そんな方にこそ、一度チェックしていただきたいポイントがあります。
いくつ当てはまるか、ぜひ心の中で数えてみてください。
朝起きたとき、あごがだるかったり、こわばっていたことはありませんか?
歯の表面が少しずつ平らになっていたり、削れて見える部分があるという方も要注意です。
銀歯や詰め物が何度も取れたり、壊れたりした経験はないでしょうか?
原因がよくわからないのに、頭痛や肩こりがなかなか治らない…。
そんな方は、もしかすると“あごの筋肉”に負担がかかっているのかもしれません。
また、「歯ぎしりしてるって言われたことはないし、大丈夫」と思っている方も、油断は禁物です。
寝ている間のことなので、自分では気づかなくても、歯やあごには確実に負荷がかかっていることがあります。
それが長年積み重なると、気づいたときには歯がすり減っていた…ということも。
実は、日中の“食いしばり”はもっと見落とされがちです。
集中してパソコン作業をしているときや、スマホを操作しているとき、無意識に歯をグッと噛みしめていること、ありませんか?
もしこれらの項目にいくつか心当たりがあれば、あなたも「隠れ歯ぎしり・食いしばり予備軍」かもしれません。
早めに対策をとることで、歯やあごへのダメージを最小限に食い止めることができます。
どうすればいいの?当医院での歯ぎしり・食いしばりの対策と治療法

「歯ぎしりや食いしばりって、クセだから仕方ないのかな…」
そんなふうに思っている方も多いかもしれません。
でも実は、きちんとケアすれば、ダメージを防いだり、改善につなげることができるんです。
当医院では、まず“あなたのクセや症状の原因をしっかり見極める”ことからスタートします。
噛み合わせのチェックはもちろん、歯や顎への負担がどの程度出ているか、筋肉や関節の状態も一緒に確認していきます。
そのうえで、もっとも基本的で効果的な対策が、「マウスピース(ナイトガード)」の使用です。
これは就寝中に装着することで、歯と歯が直接こすれ合うのを防ぎ、力の負担をやわらげてくれるアイテムです。
「えっ、そんな簡単なことでいいの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、歯ぎしりによるダメージをぐっと軽減してくれる、非常に頼もしい存在なんですよ。
また、食いしばりのクセが強い方や、筋肉の緊張が強い方には、「ボツリヌス療法(ボトックス注射)」も選択肢のひとつです。
あごの筋肉に直接アプローチすることで、過度な力みをやわらげることができます。
「朝のあごのだるさが減った」「頭痛が楽になった」といったお声も多くいただいています。
さらに、日常生活の中でできるセルフケアのアドバイスもお伝えしています。
たとえば、日中に上下の歯を離す意識をもつ、姿勢を見直す、リラックスできる時間を意識的にとる…
こういった“ちょっとしたこと”の積み重ねが、実はとても大切なんです。
症状が進んでしまう前に、早めのケアを始めることが、歯や体を守る一番の近道です。
「もしかして私も…?」と気になった方は、お気軽にご相談くださいね。
あなたに合ったケア方法を、一緒に見つけていきましょう。
あなたの歯を守るために、今できることを

歯ぎしりや食いしばりは、気づかないうちに少しずつ歯やあご、そして全身にまで影響を与えてしまう、静かなトラブルです。
でも、早めに気づいてケアを始めれば、そのダメージを最小限にとどめることができます。
「大げさかな?」「ちょっと様子を見ようかな…」と迷っている方こそ、まずはお気軽にご相談ください。
ほんの少し意識を変えるだけで、歯も体も、ぐっとラクになることがあります。
当院では、あなたの状態に合わせた最適なケアをご提案しています。
マウスピースや噛み合わせの調整はもちろん、日常生活でできるアドバイスも丁寧にお伝えしています。
あなたの大切な歯を、これからもずっと健康に保つために。
気になるサインがあれば、今がその一歩を踏み出すタイミングかもしれません。
ぜひ一度、お話を聞かせてくださいね。
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